勤続66年のギネス世界記録

 

3月28日の日経新聞朝刊の社会面に載った、91歳でもエクセルを使いこなし、勤続66年のギネス世界記録に輝く女性従業員の記事に驚いた、本当に本当に驚いた。

私も多くの高齢者に会ってお話を聞く機会に恵まれてきたが、エクセルを使いこなし、メールをチェックし、SNSで情報を収集する91歳は会ったことも聞いたこともない、新聞記事で初めて知った。

 

同時に、90歳を超えた高齢になっても働いていただくことを良いことだとしている、この会社はどんな会社だろうと、ホームページを見てまたまた驚いた。

 

サンコーインダストリー、どんな会社か、「ねじを売る商社」と一言で説明できるが、常識はずれの商社だ。

 

なんと、ねじと言っても一言では語りつくせない種類があり、この商社の在庫は70万種類に及び、在庫総数は30億本に及ぶというから、想像がつかない。

 

サンコーインダストリーのホームページを見ると、ねじのカタログがあり、驚くほどの種類を知ることができ、また、ねじの特徴の違いや歴史まで、とても誠実にわかりやすく面白く知ることができる。

 

ぜひ、ご覧になることをお勧めしたい。
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製造ではなく1次卸販売の会社なので、これだけの種類の商品の品質を見極める目利きが重要だが、さらに在庫管理、出荷など、簡単にコントロールすることはできないと思う。

 

よほどしっかりした経営理念のもと、従業員が日夜努力を重ねない限り、会社の信頼は得られないだろう。

 

なぜなら、ねじ1本の不良で、大事故につながるからだ。

 

おそらく経営者は、常に従業員の成長と長い人生のことを第一に考え、教育や福利厚生に力を入れているから、従業員の会社に対するエンゲージメントが高くなり、一人一人が経営理念に従って行動を起こしていると想像する。

 

そうでなければ、30億本のねじを管理できない、そして91歳の女性が活躍する職場を作ることはできない。

 

器用で勤勉で誠実な日本の企業を見た思いと、世界ギネス記録はただの飾りではないとの思いから、いっぺんにこの企業のファンになってしまった。

 

健康も大事だが環境も同じくらい大切

 

健康寿命のことを考える機会が増えて、少しでも健康寿命を長く伸ばすための努力について考えてきたが、人が高齢になっても働くことができる環境を会社が整備することが、現代においては一番必要で有効な施策ではないだろうか。

 

そして、従業員が会社を愛し、上司や同僚とともに会社の発展を思い、日々充実した働き方ができる環境にあれば、きっと健康寿命が延伸し、豊かで幸せな人生を送れると確信できるだろう。

 

この日の日経新聞の記事が、私に素晴らしい会社を教えてくれ、その会社から勇気をもらうことができたことに、心から感謝したい。

2022.06.12

カテゴリー:メディア