令和4年4月より「排泄予測支援機器」が特定福祉用具販売の給付対象種目として追加
このような福祉用具が介護保険のサービスで使えるような時代になったのかと、感慨深い思いで厚労省のホームページの資料を読んでみた。
私は20年近く前のことだが、ドラッグストアの介護事業の責任者だったころ、いろんな大人用の紙おむつを製造販売するメーカーさんに、尿が出たらおむつの中のセンサーが反応して、離れたところにいるヘルパーさんが知ることができる、おむつに貼る小さなセンサーを開発できませんか?と提案していたことがある。
現在そのような物があるのかどうかはわからないが、今回介護給付の対象となった機器は、おへその下あたりに貼って、膀胱の中の尿の量に反応して排尿の機会を知らせてくれるもの、こんな方法があったのだと感心するとともに、とても素晴らしいことだと感じた。
詳しくみると、排尿の機会を知らせることで、自立した排泄ができるように促すことが目的のようだが、おそらく認知機能が低下した高齢者に対していろんな使い方があるだろう。
介護をする人にとっては、高齢者のおむつ交換は、いろんな介助や支援行為の中でも最も負担のかかることだろう。
特に特別養護老人ホームは原則、要介護度3以上の人が入居する施設なので、夜間のおむつ交換業務は、少人数で行う過酷な業務と言われている。
100人の入居者さんがいた場合、全員のチェックをすることは、おむつ交換が必要なければ睡眠妨害にもなる可能性があり、必要な方のみ交換することができるのなら、介護をする人にとってだけではなく、本人にとっても健康上大変よいことだ。
医療や介護の世界は、デジタル化が遅れており、個人情報やセキュリティの問題等で、おもうように改革が進まないが、このような機器の開発と導入が進むと、働きやすい職場に変わっていくだろう。
認知症高齢者が、住み慣れた地域で暮らし続けられる社会を作るためには、このような人の認知機能の低下した部分を補う福祉用具の開発がかかせない。
2022.09.02