何かできることはないだろうか?
体の自由が利かなくなった高齢者の生活苦や悩みは相当なものだと思う。
でも人は恥ずかしさや他人に迷惑をかけたくないという気持ちから、家や部屋にこもりがちになりってしまい、笑顔や会話がなくなってしまう。
あきらめと厭世的な思いからか、黙ってしまう人が多いように見える。
そのような高齢者をたくさん見てきた。
「しかたないよ」って人は言うけれど、何かできることはないのか?
見ていると切なくなり、何かないか考えたが、思いつかない。
とりあえず背中に手を添えて声をかけてみた。
『 ○○さん、こんにちはー、食事はおいしかったですか? 』
びくっと体が反応して驚く人、喜んでくれる人、不思議そうに振り返る人、様々だった。
とにかく残された短い人生を、少しでも楽しんでもらうことはできないのか?
ひとり暮らしの高齢者にとっての楽しみや喜びは、どんなことだろう?
少しでも喜びを感じてもらえる時間は作れないだろうか?
- 子供や孫と話をしながら楽しく食事をすること。
- 友達や家族と一緒に旅行して、温泉に入り、美味しいお酒や食事を楽しむこと。
- 友達と買い物や芝居見物にでかけること。
- 囲碁や将棋、麻雀、など趣味を楽しむこと。
- 陶芸や絵画、畑や庭でのモノ作りを楽しむこと。
- ゴルフやテニス、ゲートボール、ダンスなど体を動かすこと。
- 動物や植物とふれあい、自然のなかをゆっくり散歩すること。
- 本を読んだり映画をみたり、感動を楽しむこと。
悪い流れを変えるには?
長い人生で経験したいろんな楽しみ方があっても、体の衰えとともに、だんだん行動半径が小さくなってゆく。
新幹線や飛行機に乗って遠くに宿泊を伴う旅行することができなくなる。
日帰りのお出かけもおっくうになり、スーパーやコンビニに買い物がやっと。
まだまだ体を動かせるのに、気持ちがのらないので、部屋から出なくなる。
このままでは体を動かすことや会話が減って、認知症を発症するリスクが増大してしまう。
この流れを変えたい、できれば90歳すぎてもゲートボールを楽しむことができるくらいに、体を動かすことができる元気な人でいてもらいたい。
できることを見つけて、気持ちを元気にして、できる限り部屋に閉じこもっている時間を減らし、悪い流れを変えたい!
認知症を発症する前に、楽しみ方、生きがいを見つけ出し、活発に行動してもらいたい。
転倒して骨折することが無いように、足腰が弱らないように、活発に行動してもらいたい。
歯が弱ったり、嚥下機能が低下して誤嚥をおこしたりしないよう、食事をなんでも美味しく召し上がってほしい。
高齢者の生活を豊かにするためには、最低限の健康維持と体の自由度がほしい。
そのためには、認知症予防と転倒防止と口腔ケアと感染症予防、この4つは何としてでも予防と対策が必要だ。
高齢者の生活を豊かにするいろんなコンテンツを揃える必要はあるが、その前に健康で自由度の高い体を保つことから始めよう!
認知症予防、転倒予防、感染症予防、そして口腔ケアを行うとは、つまり、よく歩き、よく話し、よく食べて、手と口の中をきれいにして、よく眠ること。
この生活習慣をぜひ手に入れてください。
2022.01.14