ボヤ騒ぎのその後。。。
久子さんがボヤ事件を起こしてから、毎日通っている。
長男として母親の窮地を救うべく当たり前のことである。久子さんは、出来の良い弟に比べて心配ばかりかけてきた長男を本当によく育ててくれた。そう思うと、
認知性の怖さ
今の久子さんは、一時も目を離せない状況になっている。だから施設が決まるまでは一緒に暮らそう。何度も何度も、そのような思いが心の中で湧き上がる。
が、想像以上に認知症は手ごわい・・・。
しかし、その時・・・
息子として、久子さんと長時間一緒に居て、安全と衛生を保ち健康的な生活をさせてあげたい!という心理が働く。
優しい長男である。その優しさは、久子さんには諸刃の剣となって襲いかかっていたようだ。
こうしたほうがいいよ!こうしようよ、「 こ う し な さ い! 」
ぼくに似て久子さんはとても頑固。いや、それは逆だろう。ぼくは家族から
「頑固だね」
とよく言われてきた。それは久子さんから受けついたものだと最近になって納得した。
久子さんは、ぼくの言うことのほとんどを否定する。
お風呂問題
やはりお風呂は1番の難関だ。たくさんの言い訳を並べて入ろうとしない。
健常人には想像もできない、お風呂への不快感があるのだろう。
週2回の目標
ぼくは週2回の目標を立てて入浴させるとにした。その大変さで言うと、嫌々ながら久子さんが「お風呂に入る」となったとき。更に困難な事態が待ち受けている。これも久子さんの尊厳を守るために書くことはできない。
掃除と片付
2番目の難関は掃除と片付け。
ぼくがしている後を追いかけてやめさせようとする。自分の部屋が汚いことを知られたくないのだろう。
久子さんとの1日。
このような時間が過ぎて必ず以下のようなやりとりで久子さんとの1日は-ジ・エンド-となる。
『いくら私の子供でも言って良いことと悪いことがある!出ていきなさい!』
『はいはい、わかりましたよ。帰るよ!じゃあね。』
こうなると、食べ物の確認をして、ガスの元栓をしっかり閉めて帰るのである。
帰りの電車に乗っていると、必ず久子さんから電話が入り留守電を聞く。
『どうしても伝えたいことがあるので、電話ください。』
電車を降りたところで電話をする。
『なんだか言いたいことあったけど忘れてしもーた。また来てね。』
とかわいいことを言う。
ケンカしたままで怒りを少しだけ持っている方が楽だ。
明日は言い方を変えてみよう。
2022.03.16