介護離職者は増加傾向

 

総務省統計局の平成29年度就業構造基本調査の結果から、働きながら介護をしている人の数が346万3千人、そして介護離職者数が年間9万9千人と、驚くような、そしてあまり表にでてこない話なので、よく考えるとそうかもしれない、と感じる内容だ。

平成29年度(2017年)の調査の結果だから、2025年団塊世代が後期高齢者を迎えるにあたり、今後数字が大きくなることが予想される。

50歳前後の要職についていた人が、どうしようもなく退職する、つまり退職金や年金に大きく影響してしまうのだから、その後の人生を考えると、安易な選択は絶対に避けるべきである。

 

もう一つ気になる数字

2018年、健康寿命と平均寿命の差が長くなっているらしい。

その差は、女性12年、男性9年。

これは介護に要する期間が長くなる傾向にあることも意味している。

 

さらに怖い数字

65歳以上の高齢者にしめる認知症有病率、2012年15%が2025年には20%にあがる見込みがあるという。

これら3つの事象や予想を、そろそろ企業は正しく認識し、有効な対策を講じてほしい。

認知症の介護は、施設で行うことができなければ、介護離職になってしまうことを理解し、相談窓口の人は、ただ介護保険制度や社内制度の仕組みの説明に終わるのではなく、状況を正確に把握し、長期的な視野で仕事を両立させる方法を個別に構築していくべきである。

 

第3者による相談窓口を設置し、本当に有効な介護離職対策を講じることが、企業の生産性を上げる成長戦略となると、私は確信している。

2022.03.03

カテゴリー:介護と仕事の両立