ロシアがウクライナに侵攻して3週間がたったが、停戦合意の可能性すらよくわからない。

 

日本のどのニュースも新聞も、悪者プーチン大統領と、逃げないで頑張るゼレンスキー大統領と、完全に正義対悪の構図になっている。

 

そして、世界を見ると米国中心とした西側諸国対ロシアに中国が様子を見ている構図になっている。

 

停戦の条件を両国の大統領が合意しないまま、この戦争が長引かないとは限らない。

 

その結果、多くのウクライナ人が難民となり国を追われ、一人では生活できない多くの子供や高齢者や病気治療中の人が犠牲になっている。

 

この大きな犠牲の中、世界の多くの国はロシアに対する経済制裁やウクライナへの軍事援助を考えている。

 

こんなことで、軍事大国のプーチン大統領は、「はい、ごめんなさい」と負けを認めるのだろうか?

 

これではプーチン大統領は、開き直って、とことんミサイルを打ち続けるのではないか。

 

素人の私のこの疑問に、ただ一人だけ納得のいく回答を示してくれる人がいる

 

それは橋下徹氏だ。

戦争が始まってしまったら、非戦闘員つまり一般市民の犠牲を考えた、政治的停戦案を当事者だけでなく世界の指導者が考えるべきだ。

 

ある程度プーチン大統領が納得するような妥協案を考えて交渉するべきだ。

 

私は橋下氏が、世界が今やっていることは戦争前に行う戦争を抑止する方法であり、戦争が始まってしまったら政治的な妥協案を早く見つけなければ、犠牲者が増えるだけ増えて、最悪の状態にならなければ終わらないと警告していることに、なるほどと思ったのだ。

 

戦後生まれの私の考え

 

ここからは、橋本徹氏より10歳ほど上になる、戦後生まれの私の考え。

 

明治維新から第2次世界大戦で負けるまでの日本の歴史を見れば、橋下徹氏が主張することが理解できる。

 

当時の世界のほとんどは、植民地として支配する国と支配される国に分かれていた。

 

そしてアフリカ、アジアの多くの国は欧米列強の国々から植民地として支配され、支配された国の人々の多くは差別的扱いに苦しんでいた。

 

その中で日本は唯一、欧米と政治的な交渉を続けて列強の仲間入りをし、植民地支配からは逃れていた。

 

それでも一番近くの大国ロシアの脅威には、地政学的に戦争は避けられない状況だったが、運よく戦い勝った、いや引き分けだろうか。

 

そして新たなソビエトの共産主義の脅威が迫る中、アジアでの日本の活動に、遠く離れたアメリカが待ったをかけた。

地政学的には離れているアメリカに、石油や資源を頼っていた日本は、苦しさのあまり、一か八かの戦いを挑んだ結果が、原爆投下と大都市大空襲による一般人に対する無差別爆撃だった。

 

当時の世論や世界情勢から考えると、戦争回避は困難だったことはうかがえるが、日本の政治家が一番検証し、国際政治や外交において考え方を改める必要がある点は、日本が負け方を間違えたことで、多くの非戦闘員である一般人が犠牲になったことだ。

 

ボロボロになって無条件降伏するしかないまで戦うより、南太平洋の海戦で、空母を失くした時点で、降伏ができていれば本土の空襲がなく、多くの一般人が助かった。

 

確かに、日本の勇気ある戦いに、多くのアジアの国々が自信をもち、戦後植民地支配から立ち上がり独立していった。

 

しかし、1億玉砕とか一般人の犠牲を見過ごすなど、絶対に許されることではない!

 

現代のウクライナの戦いに、自国の独立維持を願い、理不尽な攻撃には国民も武器を持って戦う気持ちは理解できる、応援もしたい。

 

しかし、それをいつまでも続けてはいけない、勇気をもって抵抗するが、どのような状態になったら中止するのか、限界を決めて、冷静に止める勇気を持つことが最も重要なことではないだろうか。

 

過去の過ちを知っている日本人が、対岸の火事のことでも言うように、一方だけ応援するような無責任な発言をすることは、もうやめてほしい。

 

石原慎太郎氏は生きていたら、どのようなコメントをするだろう。

2022.03.23

カテゴリー:メディア