40代50代を襲う新たな環境変化

40代50代の働き盛りの世代は、就職氷河期世代などという、凍えそうな名前が付けられていますが、今後の彼らの生活環境はどのように変わるのでしょうか。

 

新卒で社会に出るときの不遇だけでなく、様々な国内のバブルの影響や、リーマンショックやコロナ禍など世界的な不景気の影響を、最も大きく受けてきた世代だと言われています。

 

「もう慣れているよ」と思っている当事者も多いかもしれませんが、今後、全く別の苦労が突然押しよせて来るのかもしれません。

 

「団塊の世代」の親が直面する病気のリスク

彼らの親は、団塊の世代と呼ばれる人たちが含まれるため、人口ピラミッドの中でみるとボリュームが大きい世代です。

 

この大きな人口の塊は、あと数年もすれば80代に入ってきます。

 

団塊の世代といえば、昭和の時代、日本の高度成長を支えた猛烈社員の姿が思い浮かびます。

 

タバコをふかしながらデスクで電話を何本も取っている姿。

 

夜遅くまで残業が続き、連日の飲みにケーションで、帰宅は終電で午前様。

 

このような不規則な生活とストレスが、人間の体にどのような影響を長年与えてきたかを、想像することは難くないと思います。

 

糖尿病や脳梗塞、そして認知症といった、長期間の手厚い介護が必要になってしまう、そのような病気のリスクが高くなることを覚悟しなければならないと言えるでしょう。

 

働き盛りを直撃する「親の介護問題」と認知症の急増

中でも特に危機感を感じて備えなければならないことは、この世代の人々が80歳をこえてきたとき、認知症を患っている高齢者が急激に増えてくることです。

 

その結果、現在40代50代の、まさしく働き盛りの世代の人々は、近い将来において、非常に大きな、「親の介護問題」に直面する可能性が高くなってきます。

 

子どもの時から、パワフルに働いている姿を見てきただけに、自分たちより元気に見える、その人たちが急に介護が必要になるなんて、全く想像できないかもしれません。

 

 

表に出ない「介護の本当のつらさ」

筆者は彼らに伝えたい、人は生きている以上いつかは、体が正常に動かなくなるときが来て、多くの人は介護が必要になることを。

 

そのとき、介護という言葉でひとくくりにはできない大きな問題で、肉体的にも精神的にも、長くてつらい環境に追い込まれる家族がいることを。

 

介護は大変だと、よく言われますが、その本当のつらさを経験して知っている人はまだ少ないかもしれないし、あまり表にはでてきていないのです。

 

『介護は、、、』と、介護をひとくくりにして話が広がると、焦点がぼけてしまい、本当に必要な準備や対策がおざなりになりやすく、その結果、大変苦労する人たちが多くなっています。

 

 

世間が誤解している「介護のイメージ」

筆者は声を大にして言いたい!

 

いったい介護の問題の、何が問題なのか、このことがわかっていないから多くの家庭が崩壊の危機を迎えていることを。

 

介護の経験がない一般の人にとっては、車いす生活や、寝たきり生活などのように、体の自由が利かない、動かないという身体機能の低下が、介護のイメージかもしれません。

 

ことばは不適切かもしれませんが、実はこのような段階にくると、本人は体力や気力の衰えとともに穏やかな様子になり、比較的手がかからなくなってくるのです。

 

認知症初期症状による本人と周りの大混乱

 

一方、これまでお元気だった方に、突然認知症の症状が現れてきた時、本人も周りの人たちも大混乱に陥ってしまいます。

 

・いつも行っているスーパーからの帰り道がわからない

・テレビ通販で同じものを何度も買ってしまう

・車の運転やリモコンなど機械操作がわからなくなってきた

・ガスコンロの火の始末ができない

・ゴミの出し方がわからない、

・特殊詐欺にあった

・トイレの場所がわからなくなり間に合わない
暴力をふるうようになった

などなど。

 

要介護認定の落とし穴と介護離職へのステップ

体力も気力もあるため、本人は「そんなはずはない、ちょっと体調が悪いだけだ」と思い込み、人にはみられないように隠そうとします。

 

家族や周りの人は、何かおかしいと感じ始めて、その人のためを思って助言したり手伝おうとしても、本人は機嫌を損ね、徐々に人間関係が悪くなっていきます。

 

とうとう大きな問題が表面化し、ようやく要介護認定を受けても、本人は良く見せようと努力することで間違って評価をされてしまい、認定は低く出てしまう傾向にあります。

 

その結果、公的介護保険のサービスは少ししか受けられなくなり、その負担は家族に大きくのしかかってきます。

 

認知機能が衰えていると言えども、体力・気力ともにまだまだ元気なため、家族への暴言や、近隣とのトラブル、金銭に関して家族を疑うことなど、本人も家族も、混乱や精神的苦痛が増えていきます。

 

そのため家族は、会社勤めが厳しきなり離職に追い込まれてしまいます。

 

 

不幸を回避するための「初期のボタンの掛け違い防止」

認知症の初期に起こりやすい、この負の連鎖を想定し、準備を進めなければ、さらにその後の5年から10年は、解決できない、つらい環境に追い込まれてしまいます。

 

これが介護問題の本質であり、このような負の連鎖と不幸を回避するためには、初期に「ボタンを掛け違わない対策」を行う必要があります。

 

この対策が実行できるかどうかは、その準備を早めにしておけるかどうか、にかかってきます。

 

このように、現代の日本の社会において、介護のイメージと介護問題の本質にズレがあるため、適切な準備と対策がなされていない、その結果多くの人が離職に追い込まれてしまっている、家庭も自治体も国も大きな損害をを被っているのです。

 

あまり表面化しませんが、その数、年間10万人です。

 

認知症になる人とならない人がいますが、団塊の世代が80歳をすぎると4人に1人はかかると予想されています。

 

誰が罹患するかわからない怖い病気、認知症。

 

お元気なうちに将来の「住まい」、そしてその資金の準備について家族と話し合いましょう。

 

認知機能の衰えが見え始めたとき、これまでの住まいの環境で暮らし続けることは危険が多くなるため、早めに介護のプロがいる施設への入居を考えましょう。

 

そのままにしておくと、特殊詐欺、火事、交通事故、などの事件や事故に巻き込まれる危険、自然災害への対応の遅れ、徘徊や近隣への迷惑行為、不衛生で不健康な生活、などなどリスクが高くなっていきます。

 

また、家族との確執や虐待など家庭崩壊の問題も生じやすくなります。

 

これらのことを考えての家族の話合いと資金準備を進め、本人が安全に健康的に暮らせる、そして家族は介護離職することなく安心して暮らせる計画を進めていきましょう。

 

見た目はお元気に見えても、認知症介護は、素人には無理です。

 

できるだけ早めに、介護のプロがいる、介護が必要となった高齢者が暮らす「住まい」に移ることが、「ボタンのかけ違い」を回避する最善の選択肢です。