政府は2026年4月4日の閣議で、「成年後見制度」の民法改正案を決定した。今国会で改正案が成立すれば、2028年度中に運用が始まるとのこと。

「成年後見制度」あなたは知っていますか?

認知症介護に関わった経験のない人には、おそらく何のために改正が必要なのか理解しにくい問題なのではないだろうか。成年後見という言葉からして、なんのことだろうと思う人は少なくないだろう。

認知症高齢者の増加は、人の最低限の生活水準維持や様々な人権にかかわる多くの問題を解決できないまま、見過ごされてしまうケースが増えることを意味する。

成年後見制度について(厚労省より)

 

なぜ代理人が必要なのか

認知機能の低下が進み、本人の判断能力が十分ではないと判断されれば、本人の財産や利益を守るためには、代わりに適切な判断や手続きを行ってくれる代理人が必要なことは、火を見るよりも明らかなこと。

家族が行えばいいことでは?と考えることはもっともな事だが、本人の利益に反する家族による行為が多いことも事実で、家庭裁判所も家族の後見人の認定には慎重にならざるを得ない。

制度が始まって26年、なぜこんなに使われなかったのか

日本の未来を予想して、すでに2000年からこの制度は始まってはいたが、使い勝手が悪く、早くから改正が必要とされていました。

一度制度が始まると本人が亡くなるまで制度はやめることができない。財産処分や介護の方針について、家族の意向は聞いてもらえない。後見人に不満があっても変えづらい。

 

このような不満は利用して気づいても、解決の方法はなく、本人が亡くなるまでがまんして費用を払い続けなければならない。

そのため制度の利用は少なく、制度がはじまり26年たって、ようやく改正案がまとまり国会での審議へと進みました。

法案が成立してもスタートは2年後ですが、、、

 

改正案の内容は何が変わるのか

これまでの制度、本人の財産を守ることそして本人が適切な環境で暮らせること、この2つの目的から、多くの権限が後見人に委ねられたため、家族は関われず、本人や家族の自由が過度に奪われていました。改正案では必要に応じて個別に利用ができ、財産の処分や相続手続き、必要とされる契約手続きなどが終了し、必要性がなくなったと裁判所が判断すれが終了できるようになる。

裁判所による手続きが、時間的にどの程度速やかに行われるかは疑問ですが、使い勝手が悪い部分はかなり改正されるのではないでしょうか。

 

時代に合った制度へ。これからが重要

認知症を患ってしまった人が、劣悪な環境で生活を強いられることがない社会であるためには、必要な制度であり、家族にとっても使い勝手がよい制度にあるためにも、早く改正案をスタートさせ、時代にあった制度へと適宜改正をおこなっていくことが重要だと思われる。

制度ができて26年目の改正は遅すぎた。