2026年、日本と世界の行方をどう見るか

昨年、高市政権が誕生して以来、日本経済は短期間のうちに好転の兆しを見せ、2026年はさらなる飛躍が期待できる年明けとなった。
また、アメリカではトランプ大統領による世界平和への取り組みが、少しずつ実を結んでいくことを願いたい。

戦争だけでなく、麻薬売買やテロリズムといった人類の敵から世界を守ろうとする姿勢、そして行き過ぎた脱炭素政策を是正しようとする取り組みは、日本のメディア報道を通じて見ると、あたかも独裁的な指導者のように映ることがある。しかし私には、どの国のリーダーよりも世界平和を真剣に願い、行動するヒーローのように見える。

高市首相がトランプ大統領と足並みを揃え、日本の豊かな未来を創造するための政策を着実に実行できれば、日本の将来は明るいものになる――政権発足以来、私はそう強く感じてきた。

経済の回復と社会保障制度の現実

一方で、日本の社会保障制度の未来は、残念ながら楽観視できない。
いかに高市首相が優れた政治家であっても、社会保障問題の根は深く、経済成長の効果だけでは不十分であり、制度全体の長期的なグランドデザインそのものを見直す必要があるのではないだろうか。

丙午(ひのえうま)と少子化への強い危機感

2026年は、60年に一度巡ってくる丙午(ひのえうま)の年にあたる。
江戸時代の火災多発という迷信に端を発し、丙午の年には出生数が大きく減少したという記録が残っている。科学的根拠に乏しいとはいえ、社会心理的な影響が全く出ないとは言い切れない。

物価高がいまだ収束する気配を見せない中、丙午をきっかけに出生率の低下がさらに加速する事態だけは、何としても避けなければならない。そのためにも、出生率低迷の一因である出産にかかる多額の費用については、無償化を急ぐべきだ。

一方、年収の壁の撤廃が段階的に進み、女性の社会進出がさらに加速すれば、社会保障制度改革にとってもプラスの効果が期待できる。
長年専業主婦として家庭を支えてきた女性が、夫に先立たれ、わずかな年金で生活せざるを得ない現実は、決して少なくない。女性が社会保険に加入できる環境で働くことは、総合的に見て、より豊かな社会を築くための重要な基盤になるはずだ。

特に、生産年齢人口の減少が避けられない中において、女性の社会進出がもたらす経済的効果は、計り知れないほど大きい。

高齢者の生活を直撃する医療政策の課題

次に、高齢者の生活について考えてみたい。
この数年続く物価高は、在宅で暮らす高齢者の生活を直撃している。なかでも注目すべき論点は、OTC類似医薬品が保険適用から外され、これまで1〜3割負担で入手できていた薬が、10割負担になる可能性だ。

湿布薬、鎮痛剤、皮膚疾患用の塗り薬、胃腸薬、ビタミン剤など、これらは高齢者にとって日常的に必要となる頻度の高い薬である。
慢性疾患を抱える人が多いこと、また受診控えによる健康被害の懸念を踏まえると、この政策が本当に正解なのか、疑問を感じざるを得ない。

仮に慎重な議論の末、年間約4,000億円の医療費削減効果が得られたとしても、苦しい思いをする人々の犠牲の大きさと比較すれば、決して見合う効果とは言えないのではないだろうか。

確かに、OTC類似薬が安価に手に入ることを十分理解し、適切に利用している国民ばかりではない。医療費の無駄遣いと指摘される部分があることも事実だ。しかし、国民所得の約19%を社会保険料として負担している現状を考えれば、その恩恵として利用されてきたOTC類似薬を保険適用から外すことは、改悪と受け止められる可能性が高い。

数理経済学者でノーベル経済学賞に最も近かったといわれる宇沢弘文氏が述べた「医療は社会的共通資本である」という考え方は、今こそ改めて重く受け止めるべきだろう。

介護問題の核心は「住まい」にある

社会保障をめぐる問題の中で、いまだ十分に認識されておらず、早急に議論すべき重要な課題がある。それが、認知機能の衰えが顕著になった一人暮らし、あるいは高齢者のみの世帯における「住まい」の問題である。

認知機能の低下は、社会とのつながりを弱め、衰えを加速させるだけでなく、特殊詐欺や火災といったリスクも高める。しかし、介護保険制度は本人の意思尊重を大前提としているため、実効性のある対策が打ちにくいのが現実だ。

その結果、問題は家族にしわ寄せされ、介護離職といった新たな社会問題を生み出しながらも、表面化しにくい。私はこの点こそが、介護問題の核心であると、政府関係者に強く訴えたい。

要介護3以上であれば特別養護老人ホームという受け皿はあるが、身体機能は比較的保たれている一方で、認知機能が低下し始めた高齢者を支える住まいの対策は十分とは言えない。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の制度をブラッシュアップし、経済的に弱い高齢者でも利用しやすくすること、そして医療と介護の連携を強化し、医療コストを抑えながら必要十分な医療を提供する体制づくりが求められる。

在宅を一軒一軒訪問する非効率な医療体制ではなく、認知機能が低下し始めた高齢者にはサ高住で生活してもらい、集団的な介護予防、栄養バランスの取れた食事、訪問医療による適切な医療提供を行う――高齢者医療・介護は、総合的に医療費を抑える仕組みとして再設計されるべきだろう。

高市政権には、高齢者を一括りにするのではなく、まずは認知機能の衰えが見え始めた段階の高齢者に焦点を当て、家族に過度な負担をかけず、効率的で持続可能な医療・介護サービス提供体制の構築に取り組んでほしい。