日本全国で高齢の「おひとりさま」急上昇中

 

国勢調査によると、65歳以上の人が一人で住む割合(高齢独居率)が、2020年度は全国平均で19.0%になり、最も低い山形県でも12.1%とのこと。

ワースト1位は東京都で26.1%、2位は大阪府で24.0%という結果となり、日本全国で高齢の「おひとりさま」が増えている実態が明らかになった。

高齢者の健康管理の面だけでなく、特殊詐欺被害やゴミ屋敷問題、空き家増などのリスクが高くなるため、安心安全な地域づくりにむけた全国各地の取り組みが注目されている。

高齢独居率が低い山形県、福井県、新潟県は、3世帯同居の割合が高い地域であることがわかっている。

いずれの地域も、3世帯同居のためのリフォームや住宅新築に対する補助を出しており、多世帯の大家族を促していると記事は伝えている。

 

もちろん、金銭的なメリットだけでは、若年層に同居を促すことは難しく、担当者は「子育てが楽になる点を強調するのがカギ」と指摘しているようだ。

この記事を読んで目に浮かんだのは、有名人が突然訪問するTV番組の一場面、大家族で暮らし、90歳過ぎても畑仕事をしている高齢者が笑顔で答えている場面だ。

3世帯で暮らす中、小さな子供の世話をしたり、畑で体を動かしたり、大勢で食事をしている姿を見ると、認知症とは無縁だろうと思えてくる。

 

一方、高齢者の一人暮らしを考えると、必然的に会話は少なくなり、体を動かす頻度も少ないかもしれないから認知症リスクは高くなる。

ひとり暮らしが長く続いている高齢者と、3世帯家族で毎日アクティブに動いている高齢者を比べた場合、高齢化による人間の認知機能が衰えるスピードに違いが出ることは明らかではないだろうか。

都会のマンションやアパートなど集合住宅では、近隣に住んでいる人との交流は少なく、一人暮らしの高齢者が倒れていても、しばらく誰も気がつかないかもしれない。

2022.02.20

カテゴリー:新聞記事