成年後見制度の利用が進んでいない
2022年11月3日の日経新聞朝刊の社会面には、認知症などで判断能力が低下した人を法律的に支援する成年後見制度の利用が進んでいないとの記事が載っていた。
2000年に介護保険制度に合わせて、認知機能が低下している人の財産管理や身上保護の目的で制定され、当初は、家族が後見人になるケースが多かったが、後見人の不正もあることから、徐々に家庭裁判所は家族以外の後見人を指名するようなってきた。
2021年には家族が後見人等になる割合は20%程度に減少している。
現在、一番多く後見人等に選ばれているのは専門職といわれる人たち(弁護士、司法書士、社会福祉士等)で、70%近くを占めている。
利用されない理由を考えてみた
様々な理由はあると思うが、利用されない理由を一言でいえば、『使い勝手が悪い』ということだと思う。
どうして、後見人がついたら亡くなるまで辞めてもらうことができないのか?
どうして、後見人に不満があるとき簡単に人を変えられないのか?
身上保護ならともかく、財産管理においては必要な手続きが終了した後は終了しても良いだろうと思うが。
専門職といえども、財産管理は任せられても、身上保護の面ではプロとは言えない。
家族から身上保護まで取り上げて、介護の在り方を家族が口出しできないようでは悲しむ家族は多いのではないだろうか。
とにかく政府は、多くの高齢者や家族がこの成年後見制度で苦しんでいることを把握し、法務省に見直し案を作らせ、改革を進めてほしい。
2022.11.18
カテゴリー:介護全般