健康保険証の廃止

 

10月12日のニュースの多くは、現行の健康保険証を2024年秋をめどに廃止する方向で、政府は最終調整に入ったことを報じた。

いよいよ、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える計画だ。

医療や介護、年金などの社会保障制度の分野のデジタル化が遅れており、改革が進むことで国民は多くのメリットを得られることが期待できるだろう。

日本は皆保険制度の国で、国民は少しでも体の異変を感じた時、あるいは健康に不安があれば、いつでも近くの医療機関にかかることができて費用負担も3割程度ですむという、世界でも特に恵まれた国だ。

 

しかし問題は、いつでも気軽に利用できる医療サービスだが、一人の人間が長年にわたり受けた医療情報は生かされていないため、非効率的な医療サービスになっている可能性が高いことだ。

 

このことは、国や自治体の医療財政的な面で大きな負担になるだけではなく、国民の健康管理の面から見ても、過剰な薬の投与や、必要のない検査を何度も受けないといけないなど、受ける側の国民のデメリットでもある。

 

そして、このような非合理的な医療の仕組みを、いつまでもそのままにしておく余裕は、日本の国にはない。

 

したがって、セキュリティの問題で多くの反対意見はあるが、移行するしないの議論ではなく、移行しなければならないが、この仕組みを構築し安全に運用するためには、どのような準備が必要なのかを議論すべきだと強く主張したい。

 

そしてきちんと説明できる内容に練り上げるべきである。

 

だが、一番の心配は、これまでも政府や各省庁が主導して新しく作った仕組みの多くが、不祥事や仕組みの欠陥などにより、多くの漏洩事件やシステム障害が起こっていることだ。

 

票集めに奔走し、私利私欲を肥やす多くの政治家や官僚組織をみてきた国民は、この大改革を、本当に国のことを考える誠実な人たちによって為されることなのか、この一点を心配しているように感じる。

 

東京オリンピック後に多くの不正が表面化したが、今回の移行も巨大なお金が動く改革だけに、同じ悪い繰り返しがないように願いたい。

 

政府は今後、どのような実績がある企業をどのように選び任せるのか、透明性があり納得のいく説明を繰り返してほしい。

 

日本の国民もただ反対するのではなく、社会保障制度に多くの問題を抱えた日本は、デジタル改革を進めることは当然のことだと考え、よい改革を進めるためには、どのような政治家や政党を選ぶべきかを真剣に考えるべきだと思う。

2022.10.21

カテゴリー:メディア