8月31日のNHKニュースNEWS WEBによると、量子科学技術研究開発機構のグループは、パーキンソン病や認知症などの病気により脳に蓄積する異常タンパク質αシヌクレインを、画像で捉える技術を開発したと発表した。

 

これは世界で初めてのことで、画像により疾患を見分ける制度が上がれば、発症メカニズムの解明や、有効な治療薬の開発などの研究の足がかりになっていくと、期待が寄せられている。

パーキンソン病に悩む高齢者は多く、手のふるえが止まらない、体を動かすことが困難で歩き辛そうな高齢者を、私はデイサービスや施設でよく見かけて、その苦悩を知っている。

 

症状が進むと、気力の低下や認知機能の低下が進むことが多く、要介護度が高くなり在宅での生活は厳しくなるだろう。

 

50代60代に発症する人が多いと言われているが、主な治療法は、脳内の神経伝達物質をコントロールする薬剤などの対症療法しかないため、長い期間、運動機能の低下や認知機能低下による症状に苦しむことになる。

 

このような現状を考えると、高齢化が加速する現代において、今回のニュースはとても明るいニュースに感じる。

 

認知症の治療薬の開発が難航している記事をたびたび見かけるが、世界の研究機関や製薬メーカーが、このような分野の研究開発から撤退しないように願いたい。

 

第2の人生の準備をしよう

 

人生100年時代とは、これまでどんなに健康な暮らしを送ってきた高齢者といえども、いつなんどきパーキンソン病や認知症を発症するかわからない時代なんだと、認識して第2の人生の準備をしていたほうがよいだろう。

 

そのためにもできる限り早くいろんな角度から、認知症やパーキンソン病などの脳の機能に関する病気の解明と、治療薬開発が待たれるところである。

 

だから、医学や薬学だけでなく、物理、化学、数学、生物学など基礎研究に携わっている多くの研究者にもお願いしたい、認知症や難病を克服するための足がかりとなる基礎研究は、諦めることなく継続していただきたい。

 

 

なぜなら、人類がまだ解明できていないことへの研究の多くは、直ぐには何に役立つかわからないような研究かもしれないが、現代の科学技術の発展は基礎研究が土台になっていることは紛れもない事実だ。

 

人生100年時代を、人類が楽しむことができるのか、それとも苦痛な生活を耐えるだけの長い時間になるのか、私自身とても他人事とは思えない年齢を迎えている。

2022.09.25

カテゴリー:メディア