高齢者の交通事故

 

警察庁によると、2021年の75歳以上の運転者による死亡事故件数は346件にもなるという。

さらにその死亡事故件数のうちの26%が、不適切なハンドル操作やブレーキとアクセルの踏み間違いによるものだった。

内閣府の発表によると、2021年末時点で70歳以上の運転免許保有者数は、約1285万人にのぼり、高齢者運転者による痛ましい死亡事故を減らすべく、より厳格化された対策が盛り込まれた改正道路交通法が、5月13日施行されるに至った。

 

これまでも75歳以上の高齢者には、認知機能検査で認知症と判断されると免許が取り消されたが、認知症でなくても、警察が定める期日までの3年以内に信号無視や速度超過など一定の違反歴がある75歳以上の運転者には、実車による運転技能検査が課せられ、合格しないと免許の更新ができなくなった。

このように、より厳格されているように見えるが、認知機能の低下は徐々に進んでも、現実的な障害は突然起こることが多く、今回の改正も十分とは言えない。

 

なぜなら、60代や70代前半の高齢者の運転による死亡事故も散見されることや、75歳の時点では元気な方など、免許更新時の適正検査の網が十分とは思えない。

やはり本人が、周りの意見をもとに早めに返納していくしかないだろう。

 

運転免許の返納を勧める理由

 

しかし、認知機能低下の厄介なところは、低下すればするほど、人の忠告を聞きたがらず、自分の能力を高く見せたがるところであり、人や社会との交流が減っていくことである。

従って、元気なうちに返納する、少なくとも75歳の誕生日を期限とすること、と考えるべきだと強く主張したい。

想像してみてほしい、そしてよく考えてみてほしい、ブレーキを踏みこむつもりでアクセルを強く踏み、さらにそのままアクセルを踏み続けると、どのような事が起こるか!そして、その事故のあとどのような将来が待っているかを・・・。

 

アクセルとブレーキ間違えるなんてあり得ない、たとえ間違えてもすぐにブレーキを踏む、と甘く考えてはいけない。

認知機能の低下が起こると、車の運転の中では、事実そのような事が起っているということを、高齢者だけでなく全ての人が認識するべきだろう。

 

特に免許更新時の検査で、少しでも点数が低く出た場合は、返納を考えた方がよいだろう。

物忘れがひどくなり、何月何日何曜日を思い出すことに時間がかかるようでは、返納を考えた方がよいだろう。

 

車の傷が増え、家族や周りから車の免許の返納を勧められているようなら、すぐに返納するべきだろう。

周りから車の免許を返納するよう勧められているが、頑なに拒んでいる自分がいるとしたら、今すぐ返納するべきだろう。

幸せな人生が、ある日を境に地獄のような不幸な人生に変わってしまうことがないように!

2022.07.29

カテゴリー:メディア